あした思い出すよう

あさってもその次も

テキストとインターネット

テキストとインターネット

 

今ノリノリなツールとしては、写真や動画といった視覚面に訴えるもの、だと思う。
InstagramYouTube、それこそTikTokのような、画像で訴えかけるものや動きのあるものが現代としてはノリノリなんだと思う。
動きのあるものや華やかな写真・画像といったものがセンセーショナルでなんだかワクワクするんだと思う。

 

テキスト系メディアが画像・映像系に対して分が悪いかというとそうでもない。
なんというか文字だけの記事等には画像映像系にはない『落ち着き』があるような気がする。
テキスト系メディアのそこが強みだと思う。
画像・映像がつくとどんなことでもなんだかよく見えるような気がする。
また印象の悪いことは余計に悪く見えるような気もしてくる。

 

もし画像が一切ないカラスに関する記事があったとする。
読む側は最初にカラスの実態についてのタイトルがあれば『カラスの一体どんなことが書いてあるんだろう』『どういった内容なんだろう』と思いながら読み進めていくだろう。
途中でゴミを荒らすカラスの実態について書いてあると、そういう『カラス被害』に関する文章なんだなぁと思い文章を読み進めていくと思う。

 

ただこれが例えばゴミ捨て場を荒らすカラスの写真が記事の一番最初に貼ってあったらどうだろうか。
その後に文章が続いても、読む人は最初からこの文章はゴミ捨て場を荒らすカラスについての文章なんだなあと思いながら読むと思う。
文章の多くを読む前からなんだかラベリングしているような感じ何だと思う。
なんだかそれはそれでなんだもったいないなと思ったりはする。
最初から内容をわかった気になり、その記事を読まないかもしれない。
また、カラスに興味のない人やカラスがそもそも嫌いな人はその記事のサムネイルだけでも読む対象から外れるかもしれない。
読む前から取捨選択になっているんじゃないかなあと思っている。

 

そういった時にテキスト型のメディアの強みって何だろうって思ったら変にセンセーショナルにならないということかなと思ったりもする。

 

『驚いたこと』な記事に驚いた系の写真を無理に入れなくてもいいし、『悲しいこと』な記事に悲しいを連想するような写真を入れなくてもいい。
驚きや悲しみのような印象は、読み手に委ねてくれるような記事は、なんだか落ち着く。

 

すっかりインターネットが浸透した2022年現在から20年ほど前。
ノートパソコンのパンフレットの表紙には、この2022年では考えられないような分厚さのノート PC を片手で持ち颯爽と歩くお姉さんが写っていた時代。
まだインターネットも『おそーい』そんな時代
 IT革命だったり、革命もはじけたりなそんな時代。
もっとインターネットってテキスト中心だったはずなのよね。
(というよりもテキスト中心じゃないと容量がパンパンになって大変なことになっていた時代だったともいう)

 

その時から存在するサイトというのは、なんだか趣味全開と言うか文章に熱量のあるサイトが多いような気がする。
今そのようなサイトがないとは言わないけれど、インターネットというのがそこまで身近じゃなかったそんな時代に、インターネットの世界に文章を書き綴る人の熱量というのは何だかすごくて、また、読んでいて楽しかったような記憶がある。
過去の事を言い出すときりがないけれど熱量のある記事に出会える率は高かったように思う。
(思い出補正かしら...)

 

そんな記事たちも時代の流れかサービスが終了したり、サービスが規約が変更になったり、
もう存在しないサイトというのは多い。
人々の記憶の中にある思い出のサイトもアクセスが出来なくなっているかもしれない。

 

昔を懐かしんでもインターネットが昔の状態になるわけではない。
わかっていてもちょっと懐かしんでしまうのがインターネットなのかもしれない。
でも今は昔じゃなくて今であって、今は今の事を考えなければいけない。

 

話が逸れたり戻ったりするけどテキストにはテキストの強みがあるから、テキスト的な文章の文化はこのインターネットで続いて欲しいなぁと思う。

どこかの芸能人の言葉で『自慢話』と『説教』と『思い出話』をしない方がいいと言っていたような気がする。
『20年前のインターネットは~』と、今の人々に言っても『で、なにそれ』で終わってしまうと思う。

 

なんにせよ、20年前のあの遅いインターネットには戻れない。

 

まあ今は今として色んな人が色んな情報を発信したりしなかったりする時代だから、そのなかから自身の好きな情報を集めに行く時代なんだろうと思う。
自分なりのインターネットの生き方(行き方?)、活用のやりかたというのを考えていこうと思う。

 

そんなテキストについて思う今日この頃。